amU 1st Album
『prism』
冒頭を飾るのタイトル・チューン「prism」は、そのイントロからしてポップとアヴァンギャルドが同居していて、ヤン富田のDOOPEESを連想させられる。 「love the candy stream」では、ヴォーカルに加工が施されつつも、キュートなacoと、後味を残しすぎずに歌いあげるmeru、という個性の違いが浮き彫りにされている。 「『chat』」での激しいエレキ・ギターや、「NEO TRAVELER」での声のサンプリングの嵐も新鮮だし、「0’00”」の強烈な低音のビートと子供のコーラスも意表を突いてくる。かと思えば、「キティニッシュ・キッチン」は、ふたりの歌とつぶやきという「声」にフォーカスを当て、これまでになく大人っぽいamUの魅力を引き出している。 エレクトロニカからソリッドなロックへ展開していく「DIVER」も痛快だ。 ライヴの定番ナンバーである名曲たち「moco」「LiNK U」から最後を引き継ぐのは「U&Me The カラフル メリーゴーランド ハッピーエンド!」。レコードの針の音から始まり、おもちゃの楽隊が演奏する外国の童謡のようなにぎやかなサウンドが、途中から一気にエレクトロな世界へと展開していく。実に見事な展開であると同時に、鮮やかな幕引きだ。 多彩な内容でありながらも、ヴォーカルを包むサウンドやビートなど、ひとつひとつの音にこだわりが感じられ、アルバム全体を貫くサウンド・デザインは非常に秀逸だ。(文/宗像明将)
【収録曲】
1.prism
2.love the candy stream
3.「「chat」」
4.0’00”
5.NEO TRAVERAL
6.キティニッシュ・キッチン
7.DIVER
8.moco
9.LiNK U
10.U&Me The カラフル メリーゴーランド ハッピーエンド!
M2,M5,M7,M9,M10 / 作曲編曲 hoshinega☆;
soundproduced by hoshinega☆; & codi
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